大学生のまひる(真昼の深夜) が日常的に考えていることや悩んでいることを、映画や本、音楽などからヒントを得ながら”現在地”として残してゆく不定期連載『よどむ現在地 』。第29回は、音楽家Momを聴きながら過ごした2年間について書きました。
時代の空気をキャプチャーしながら、同時に自分の心も照射してくれているような気持ちになるアーティストがいる。
ある人にとってそれは佐野元春であり、ある人にとってそれは小沢健二であり、ある人にとってそれは七尾旅人であるかもしれない。あるいは…。
歌う言葉に共振しながら、打ちひしがれ、同時に救い出される。僕にとってそれは、Momなのだ。
2021年。
少しずつ聴く音楽の幅が広がっていおり、いろいろ音楽を掘っていた頃。YouTubeにMomの『ワールドイズユアーズ』のMVが出てきた。
https://www.youtube.com/watch?v=_5Li7OR7du0
それまであまり聞いてこなかったフォークソングの様子を纏って、淡々とした曲調に印象はさほど残らなかった。YouTubeの特性上、一度聴いたら何度も表示される。促されるままに、なんとなく、何度か聴いていた。
次第に歌詞を聴くようになった。
何かが終わった香りがした
果実が腐ったような
新しい家のような
Mom『ワールドイズユアーズ』
なるほど。