大学生のまひる(真昼の深夜) が日常的に考えていることや悩んでいることを、映画や本、音楽などからヒントを得ながら”現在地”として残してゆく不定期連載『よどむ現在地 』。第20回は、とても孤独になる夜とその対処法について考えてみました。
それは突然やってくる。
日中は晴れていると基本的に機嫌が良い。今日も外に出て、公園を転々と散歩しながら本でも読もう、とカーテンを開け、可能性で広がった世界に気持ちが浮き足立つ。この春休みになってから、よく歩いたり走ったりするようになったおかげで、この街のことが段々と好きになってきた。
例えば、こんな春休みの一日を送った。
春めいてきた陽気と心地よい風に揺られながら、もはや同時代史を描くことができなくなる最後の同時代史?としての与那覇潤『平成史—昨日の世界のすべて』(2021)をめくる。
政治、経済、思想、カルチャーなどを総括してゆく『平成史』は、おもしろすぎて1日で読んでしまった。断片的に知っている私淑するあの人や、よく聞くあの人(こと)が次々に登場し、文脈の中に当てはめられてゆき、徹底的に相対化される。
「ここ最近の関心ごとの怒涛の伏線回収」の爽快感は、ちょうど今年の1月1日に読んだ 竹田青嗣『現代思想の冒険』(1987)以来だ。